人生教習所

ブログのネタが切れたら書かなければいいのですけどね。そこがそうは行かないこの因果な性格。


親の因果が子に報い、生まれついたるこの性格。ひとつのネタを10に引き伸ばし、ネタがなければ本の紹介、他人のブログの紹介などの暇ダネに逃げこむのでありますね。

そんなこんなで、本日は飽きもせず本の紹介となりました。

垣根涼介さんです。
かなりな力のあるストーリーテラーです。

最初に読んだのは「ワイルドソウル」
南米に移民した日本人が、役人の怠慢などに起因する要因で、悲惨な生活に追い込まれて、ジャングルの中で死んでゆく家族、あてがわれた土地を捨てて都会に出て行くもの、日本政府に実情を訴えても全然相手をしてくれない。
ということで、移民一世はそれぞれに不幸な人生を終えるのです。
このあたりまでは60%くらいは事実に基いた話だろうと思うのでありますけどね。
ドミニカかどこかの移民の人達が訴訟をおこしたりもしていましたね。当時は「移民」ではなくて「棄民」だと言われていました。外務省としては、何人送り込んだということだけが大事だったのだろうね。そのために、夢のような話だけをしてね・・・・
生き残った二世が、日本政府・外務省の役人・商社の当時の無責任な担当者に復讐をしようという、冒険活劇ドラマです。むちゃくちゃおもしろかったですね。
出だしが悲惨な話のわりには読後はすっきりこん。勧善懲悪ものがたり。

そのほかには、リストラの作業代行をしている会社のサラリーマンを主人公にした「君たちに明日はない」シリーズ。
これはNHKのドラマにもなりましたので、憶えておられる方もおられるかもしれません。

他に、ヤクザから金を奪う商売をしている連中のお話「ヒートアイランド」シリーズとかありますが、今回読みましたのは・・・・

「人生教習所」
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経団連の会長も勤めた、財界の大物が、残された人生をなにか世の中の役に立ちたいと立ち上げたNPOの人生再生計画。
人生に行き詰ったひと、やり直したいひとを集めて、小笠原に集めて研修をするわけです。
なにしろ代表者が元経団連会長、賛同者が財界大物、講師が斯界の有名人。
無事卒業したひとには、就職も斡旋するということで、今の生活に問題を抱いた人達が応募します。
まずは書類選考、研修が始まっても中間テストで送り返される人もいます。

そんな中の4人が主人公です。

ひとりは、現役の東大生。いろいろ家庭に問題があって、なんとなく引きこもりとなり、学校を休んでいます。

ひとりは、元ヤクザ。背中に唐獅子の刺青が・・・・
足をあらって、ブラジルに逃げておりましたが、人生をやり直そうと、日本に戻っておりますが無職。

3人目は、特にこれといった問題もないのですが、暗い性格とまわりから疎んじられて、ルポライターの仕事も途切れがちの29歳デブ女(といっても70Kgちょっとだったと思いますが)。

4人目は定年退職して、一応生活費もあるけれども、人生を考え直したいおじさん。

これらの4人が他の研修生、小笠原の住人、とからみあって最後は研修を終えて無事かえってくるという、それだけの話だったのですが、これはおもしろかったです。

研修の内容は
*今、あなたが見えている世界は、あなた自身なのです。自意識とは、認知とはそういうものです。
*自分の人生は、周りに居る人びとの断片でなりたっているということ。
などなどこうやって抜き書きすると、お説教くさい話になりますが、お話として読むとまた違った趣があります。

会社の往復の時間で2日間で読了。さすがに勤務時間中に読むわけにもいかないので、2日かかりましたが、休みの日であれば多分一日でいっきに読んだでしょうね。

図書館の本も、めぼしいものは読んじまったしなぁ。何か、面白い本ないかなぁと思っておられる人は、借りてくる価値はあると思います。

読み物としても面白いのですが、オマケの話として、アメリカから返還されて日本領土になった前後の歴史と、住民の苦労などもわかります。表面上は穏やかな南国の島ということですが、欧米系住民で、途中から日本人にならざるを得なくなったひと、子供は日本国籍になることを嫌がって米国国籍になり、家族バラバラになったひとも多かったようです。
ヒマができたら一度は行ってみたいですね。小笠原諸島。

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