寝床

落語に「寝床」というお話がありますね。


むかし、大店の主人にして、長屋の持ち主でもある旦那さんが、浄瑠璃に凝ってしまって、もう暇さえあれば唸っているという・・・
今でいえばカラオケ気ちがいということになりましょうか。
せっかく練習したんだから、誰かに聞かせたくてしようがない。
そこで、店の番頭・小僧などを集め、それでは飽き足らず、貸家の店子にまで声をかけるということになるのでございます。
知らない連中は最初は来ますが、一度聞くともう2度と聞きたくないということになりますね。

そこで、仕出し屋の料理を用意して、みんなを釣るということになります。

それでもだんだんと、料理くらいでは行きたくないと・・・・・なにしろ、絞殺されるニワトリもかくやという声で唸るわけですからね。

そこで旦那も強行になり、来ない奴は借家を追い出すぞとか、店員はクビにするぞとか脅かして、なんとか集まったと・・・

いやいや集まっているから、当然途中でみんな寝てしまうわけです。

ようやく浄瑠璃が終ったときに、小僧がひとりだけしくしく泣いております。
「おや、お前だけが私の浄瑠璃の良さがわかったようだね。」
「・・・で、どの部分が一番、悲しかったんだい?」とききましたら、
もうとっくに寝る時間が過ぎているのに、いつも寝る場所に旦那が座り込んで唸っているので、寝るに寝られないと泣いていた。というオチでしたね。

ま、そんな「寝床」の浄瑠璃のようなお話なんですが・・・・・

オイラのピアノのお師匠はんが、突然、「6月に風船屋さんのピアノの発表会をやりましょう」とおっしゃるわけです。

どうも、そんなことでもやらないと、こいつは自転車乗ったり、釣りにいったり、笛吹いたり、旅行にいったりと、まじめに練習しないのではないかと思われたようで。

「私のお友達に声をかけておきましたので、それまでにこの曲と、この曲をやっておいてください」ということなんですが、なんというか、集められる人たちというのは、「まさかわざわざ呼ぶくらいだから、そこそこの技量のひとだろう」と思っているに違いない。

いくら「そんな人の迷惑になる暴挙はやめましょう」といってもぜんぜん聞く耳は持たないというか、ま、結果として、早い話が、4人の犠牲者が師匠のお宅に集まってくれた(くれたというか、オイラが頼んだわけでもないのだけどね)というわけです。

この暑い盛りに、冷や汗をかいて、なんとかつぎはぎで2曲を終え、「寝床」の旦那のように、せめておいしいケーキくらいは用意しようと持ち込んだケーキを食べていただいたというわけなのです。

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ま、しかし皆さん芸達者な方たちで、バイオリン、ビオラなど持ち込み、弦楽トリオを楽しんだり、コーラスをやっている人もいたので、みんなで合唱したり、それなりに貴重な時間を有効にお遣いいただいたようで、前座を務めたオイラとしては罪一等軽くなったかなという感じでございました。ふーヤレヤレ
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目先のいやなことがようやく終わり、やっと明るく楽しい夏を迎えられると思っていたのですが・・・・

どうも、昨日、2名のひとがこれなかったようで、「こんどその方たちを呼んでますので、7月にやりましょう」とお師匠はんのメール。

「げげげ・・・*@?#$%&!!」
一難去ってまた一難とはこのことか。

確か、「寝床」でも仮病を使ってこなかったひともいたようですが、まさかそのおふたりもせっかく仮病をつかったのに・・・という方たちではないでしょうね。

もしそうだとしたら、「皆さん、仮病だけではなく、突然の身内の不幸」という手もありますよ。

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