だいくの熊さん

だいくの熊さんと左官の八っあんのお話です。

熊さんというのは、熊川哲也というバレーダンサーなんですけどね。
オイラは普段はバレーなんてのは全然見ないのですが、確か1990年頃かな・・・
うーむ、もう20年以上にもなるのか。
たまたまNHKの教育テレビを見ましたら、「ローザンヌバレーコンクール」とかいうのをやっておりまして、日本人が出ていたのですね。

その時に出場していた熊川哲也が金賞といいますか、堂々の最優秀賞。
バレーのバの字もしらないGGも見ていて「なんだかコイツすごいな」と思ってみておりました。
とにかく、回転にキレがあり、キレがあるのにコクもある、ジャンプ力も圧倒的。

解説をしていた、外人のデブばあちゃんが、すごい技のキレを持っていると絶賛しておりました。
その後で、「でも東洋人独特の体形で足が短いので、この世界で活躍するのは苦労すると思うけど・・」
なんて言っておりましたのが、今でも憶えております。

ひどい言い方だなぁと思っておりましたが、ま、確かに正しい指摘でしょうね。
同じ日本人としてみても「ん?ちょっと短いんではないのけ?」という気がしましたからね。
オイラの足を10cmくらい切って、プレゼントしてやりたいなぁと思っていたのですが・・・・

ところがギッチョンスイッチョン
その後、日本人として初めてイギリスのロイヤルバレエに入団して、大活躍、海外でも高い評価を受けているようです。
相変わらず足は短いですけどね。長すぎてタクシー乗るときに苦労しているGGとは大違い。


先日のテレビで、その熊川哲也がベートーベンの大工じゃないや、「第九」をバックに踊ると言っておりましたので、「ヘー、ほんだばいっちょう見てみるべか」と予約をいれました。
・・・・・・・・・・・
値段の割にはちゃちな入場券ですな。
金粉ふりかけて、額にでもはいってくるのかと思ったけど・・・
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2階席なので、双眼鏡もっていかなくちゃネ。
最近は2階でも臆面もなく、S席といって売っているからね、本当に嫌になっちゃうね。
B席なんてあるのか?え?屋根さえあればS席かよ!え?そこんところどうなんだ!といいたくなりますけどね。

とにかく双眼鏡を用意いたします。
これは、お月さまも見えるという名機。
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もっともね、お月さまなんてのは肉眼でも見えるからね。別に自慢にもなりゃしない。


バレエ音楽なんてのは、基本的にはストーリーがあって、それにあわせて、それらしい格好をして踊るのですけどね。
第九なんてのは、交響曲ですからね、ストーリーも何もなし。
とはいっても、「オー、友よ、こんな音ではなくて、もっとすばらしい音楽はないのか」なんて突然歌い出すおっさんが出てきて、最後は大合唱になってしまうのですね。
それを使ってどうやって踊ろうというのよ、という単純な好奇心だけなんです。本当にしようのない性分。

会場はおっちゃんばかり出入りしているオッチャンホールではなくて、渋谷の「オーチャードホール」なのであります。
オーチャードなんていっても別に果物を食べさせてくれるわけでもなく、踊るだけ。

とりあえず渋谷まで参りまして、まずは八っあんにごあいさつ。
この足に触っているおじさん、八っあんに向かってパンパンと柏手を打って拝んでおりました。
世の中にはいろんな人がいるものです。
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八っあんが終ったらいよいよ次は熊さんです。
東急デパートの横にあります、BUNKAMURA
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文化村だって・・・・東急のやることというのは、なんか、気恥ずかしいね。
創始者は五島慶太、「強盗慶太」といわれたほど強引なおやじだったんですけどね。

ま、ともかくこの中にオーチャードホールがあります。
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ホールの中の撮影は禁止されていますので、ま、写真はここまでなんですけどね。
それもアイソなしですから、せめてパンフレットの写真を
これが熊さんなんですね。
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こらこら、ちょっと目を離すと女性に跳びつくんだから、もう!
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なんてね、これはジゼルのパンフレット。そういう役どころなんですな。

これはNO2の宮尾俊太郎。こいつは足は長いね。GGほどじゃないけど。
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これはプリマドンナ神戸里奈
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席に座りますと、オーケストラBOXには約40名のシアターオーケストラトーキョー

まずは1曲目 ブリテンのシンプルシンフォニー
始めて聞く曲ですが、なかなか面白い。女性3名、男性2名で踊ります。
「うーん、バレーというのもなかなかいいもんだなぁ。男はいらないけどな」
なーんて、”よろこび組”を前にしたどこかの国の将軍様のような気分。

「あーちょっと、お前、ミサイルのボタン、そろそろ押してこいハムスミダ」なんちゃってね。

2曲目は「小舟にて」から始まるドビュッシーの4曲メドレー
なにしろ、ドビちゃんですからね、聞いているうちに「ほーら、だんだんと眠くなる眠くなる」
4曲のうち2曲は知らない曲。

ここまでで、1時間かかりまして、20分の休憩。

あれー?熊ちゃんはどうしたの?いなかったよね。

なんて、今更ながら、プログラムをがさごそ調べるGG。

「えー!」「ぎょえー!」
なんとなんと、熊ちゃんは第九の第4楽章まで名前が出ていないではあーりませんか。

いまさら金かえせーなんて言っても始まりませんので、おとなしくしておりますと、いよいよ第1楽章からはじまります。
なんだか始まりは、リヒャルト シュトラウスのバレエ「春の祭典」のような雰囲気。
原始宗教の神を祀る踊りのような雰囲気です。

ただし、曲は古典も古典、コテンコテンのベートーベンですからなにかちぐはぐ。
春の祭典の場合は、なにしろ作曲者自身が初演で指揮をして、リズムをとれなかったというくらいの激しいリズムですからね。それに比べるとちょっと違和感ありますね。みていて何かいたましい。

ふふふ、オイラは踊りの批評はなかなか厳しいよ。「泡踊りの帝王」と・・・・なんていわれていないか。
ということで、ドビュッシーで十分催眠誘導されていたGGは第1楽章は睡眠タイムとなりました。

なにしろ、自慢じゃないけど、「睡眠時無呼吸症候群」だからね。
ちょっと催眠誘導されると、こてっと寝てしまいます。
それにしてもオチャードホールのシートは寝にくいね。もっとリクライニングできないかなぁ。

そんなこんなで第1楽章まるまる寝てようやく目がさめまして、2楽章以下、まじめに起きて観賞いたしやす。

ま、とにかくいよいよ第4楽章となりまして、わずか4台しかないコントラバスも出だしから、ガンガン頑張ります。なにしろ40名そこそこのオーケストラで、しかも舞台の上で弾いているのではなくて、BOXの中ですからね、それにしては「ここでがんばらないといつ頑張るんだ」と頑張るコントラバス。なかなか迫力ありました。

第4楽章は随分大勢の人数が出てきたなぁと思っておりましたら、これは藤原歌劇団合唱部のみなさん。
ターバン見たいなのを巻いて白いイスラムのような衣装を着ております。

テノールの独唱がオーフロイント ニヒット ディーゼ テーネなんて歌うところにきて、やっと熊さんが出てまいります。
他のメンバーが全員白タイツをはいているのに、熊ちゃんだけ黒タイツ。目だってます。ズルイぞ熊ちゃん。

さすがにキレがありますね。
止まった時のキレが段違い。
それと、ターンがすごいね。女性の場合はトーシューズの先でクルクル回るのだけど、男性の場合は自分の力でグルグル回るんですな。
最後の回転なんか、15回くらい回っていましたね。見ている方が目が回ります。
トリプルルッツ、トリプルトーループなんて目じゃないね。真央ちゃんに教えてやりたいね。

2時間30分、それなりに満足して出てまいります。
ちょっと批判的に書いているように見えるかもしれませんが、
終わり近く、群舞が終って舞台中央にボロのようなものが取り残されています。
「あれ?」なんて双眼鏡でのぞきますと、そのうちに動き出しまして、年の頃は7,8歳の子供なんですね。
それを藤原合唱団の人たちが、取り囲んで、歌いながら手を差し伸べたり、覗きこんだり・・・
合唱団が踊りはしませんが、演技をしながら歌うのですね。さすがは歌劇団合唱部。
なんだか知りませんが、その時は体がゾクゾクと感動しましたね。
ま、だから居眠りもしましたけど、感動もした、というわけです。

それでも、これは無理して4つの楽章全部やる必要あるのか?なんてまだぶつぶつ言いながら会場を後にします。
熊さんの回転とジャンプを堪能したかったら、「海賊」を見にいかないとダメみたいだな。
もっともアキレス腱断裂をやってから、あまり激しいのはやってないのかな。
それにあの時17歳だったとしたら、40歳過ぎているんだな。体力温存しておかないとね。
同じ演目でも熊ちゃんが出るとでないじゃ5000円くらい違うからね。「無事、是、名馬」を目指しているんだろうな。


ハァー、しかし、なんだね。渋谷というのは、歩いていても疲れる街だね。
歩道が狭いしね。年寄りの行く町じゃないな。



「そうだ、ローザンヌといえば・・・・去年だかおととしだか、埼玉の女子高校生で、菅井まどかちゃんってのも、ローザンヌで最優秀賞貰ったな。あの子もすごかったけどね。ロイヤルバレエか、パリに行くのかと思ったら、ドイツのバレエ団のジュニアにいったらしいね。ちょっと変わった選択だけどね。現代バレエも好きみたいだから」
あの子も日本公演があったら見てみたいね。もっとも10年以上かかるだろうから、それまでオイラは生きているかどうか・・・・

あーつかれた、渋谷は疲れる。家についたとたんにバッタリ。









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